禁欲はいい

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コロナ禍の引きこもりで、ビールの家飲みCMが増えている。でも、各社ワンパターンに「うまい、おいしい〜」のCMが横一列に並ぶと、もう感心するしかない。あの「ぷふぁ〜!」とこの「ぷふぁ〜!」がどう違うのか。夏の日にカエルが一斉に鳴いても、どのカエルがどう鳴いているのか分からないし、知ろうとも思わない。

 

アルコール中毒者に苦痛を与えるという理由で)アメリカのビールCMのように「飲用」シーンを禁じて欲しい。CMに禁句や禁じ手を設けることによって、クリエイティビティが発揮される。厳しい土壌に美味しいトマトが育つように、ビールのみならずあらゆる商品広告にも同様のことが言える。

その例を見たい:

無観客試合でもビールが欲しい僕でした

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ソーシャルディスタンスのビール”あるある”

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ビールはうまいけど、相変わらずCMはへたです

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日本のビール会社が「これじゃ、ビールのシズルがないし、売れない」と決して許さない。提案したら、「あのクリエイターを変えて欲しい」と出禁になるCMですが、商品インサイトが持つ「生理的枯渇感」で表現を同化させることに疑問を持つビール会社の担当者がいてもいいと思う。

 

アルデンテな人

「来年は少しはマシになるだろうと去年話していたが、何も変わらない。全く同じことを繰り返しているだけ」と商店主の声。変わったと言えば、東京のネオンが消えたくらいだ。暗いニュース続きに、新聞も元気がない。自宅時間が多い巣篭もり状態なのに、全国の購読者の7.2%が新聞を止めた(2020年10月の対前年比)、史上最多の減紙だそうだ。ある英字新聞に至っては、購読者数が全盛時の1/3になったそうだ。

 

暗いコロナ禍にあって、明るいイタリア人はどうだろう。イタリア人は、雄弁だ。手でも400の言葉を喋ると言われている。中世のイタリアでは、言語の異なるたくさんの王国が、長靴のような狭い半島に割拠していた。商取引を成立させるために、身振り手振りの会話形態が発達したそうだ。温暖な地中海気候のせいもあり、陽気なお喋り好きな国民性も手伝ったと想像する。

(4本指の爪で

顎をこすりあげて)

①知った事じゃない②怖いのか?③行こうぜ④それがどうした⑤二人は出来てるのか?

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⑥食べよう ⑦あっちへ行け ⑧落ち着け ⑨いいぞ、最高 ⑩ふざけるな

 

 

最近の報道では、EUでリモートワークによる過剰な残業時間が問題になった時、いち早く自宅残業ゼロにしたのが、イタリアとスペインだったと聞いた。もっと、イタリア人について知りたくなったので、谷本真由美「日本人が知らない世界標準の働き方」(PHP研究所)を引用する:

 

「イタリアでは、電気工事やガスのメンテの人が時間通りには来ません。電話会社に電話しても3時間繋がりません(つまり電話をしたままずっと待つ)。

イタリア大使館はビザの書類をなくします。なぜなくなったのか聞くと、パソコンに向かって怒鳴ります。事務員はパスポートをなくします。

銀行は担当者に会う予約を入れても、バカンスに行ってしまったりするので、口座の間違いを直すのに2ヶ月かかります。銀行の口座からはお金が消えます。商店ではお釣りが間違っています。洗濯機はある日突然水漏れします」。想像通りの明るいプロフィールだ。

 

では、人を笑顔にする陽気なフィアットのコマーシャル

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 第2次世界大戦のアフリカ戦線で、イタリア軍が撤退した跡には、銀食器が散在していたのをロンメル将軍が見て「イタリアを味方にしたのは間違いだった」と手記に残していた。戦争は下手だけど、料理上手なイタリアンを見るためにスパゲティのコマーシャルを見る。イタリア人のシェフが、スイス人のテニスプレイヤー、フェデラーにスパゲッティ料理を教えている。押し付けがましくなく、音楽を楽しむように久しぶりにCMを楽しめた。

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イエロー狩り

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パソコンを長い時間見つめていた。疲れた目と頭を休めるために、ソファに座る。こんな時は何も考えたくない。スナック菓子をつまみながらテレビに目をやる。

 

ある人が言っていた「ネットは自分から近づいて行かなければならないけど、テレビは、ボ〜としている自分に近づいてくれるので、テレビが最後には勝つ」。しかし、これは、反知性のコンテンツを増やすことになる。確かに、テレビに向かう時には、考えることから解放されたい。テレビはスマホを見ながらの「ながらメディア」になっている。

 

そんな時に、考えさせられるコマーシャルに出会うと、脳が喜ぶのを知る。アスリートの実体験に基づいた120秒のフィルムに見入る。

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差別に立ち向かう難しいテーマに挑んだNIKEに拍手を送りたい。9万5千人の賛同に対して、ほぼ同数の7万2千人が評価していない。アジア人がアメリカで”イエロー狩り”にあっている事件が起きていても、鈍感でいられる人々がいることに驚かされる。あるいは、コマーシャルでは考えたくない人々なのか、複雑だ。

ビミョーな関係

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子供は、親の真似をして育つ。鏡対照のようなミラーニューロンという脳細胞の働きによるそうだ。

 

人の進歩、成長は、模倣模索から始まる。模倣といえば、中国が頭にまず浮かぶ。友人の中国人によると、中国の先進化政策として、早く追いつくには、模倣するのが手っ取り早い。しかし、無差別に真似るわけではない。世界の成功者や成功国だけを真似る。例えば世界で一番早く小型経済車を開発したヴォルクスワーゲンは、研究対象であり、中国の街々で多く見かける理由だ。

 

模倣して進歩するためには、著作権は邪魔な存在だ。上海のタクシーで、アメリカのポップ音楽を、中国のバンドが演奏する海賊版CDを聴いて驚いた。なぜ著作権の概念がないのか、上海の政府技官に直接質問をぶつけてみた。「あなたが作曲した音楽をあなたの家族に聞かせて、著作権料を請求しないでしょう。全ての中国人は家族と考えてください」。あなたのものは、我々のものという共産主義が貫かれていたのに、また驚く。

 

一方、パロディやイミテーションとは異なる、インスパイアという概念が容認、歓迎されるのが、芸術であり、広告でもある。オリジナルに刺激されて、別のオリジナルを創る。オリジナルを起点にしているが、全くオリジナルを感じさせない着地点や完成度が求められる。例えば、浮世絵にインスパイアされたゴーギャンゴッホの絵画からは、立体的な透視図法を捨てた2次元の画風を、我々は耽美する。

 

バドワイザー"All Together Now"は、2008年のリーマン・ショックの1年後に、”人々を元気づけようとして”ビートルズの楽曲を使って制作されたCMだった。列車の窓から見える街には、歌詞に合わせて人々がバドワイザービルボードに集まってくる構成になっている。ビル屋上の人々は、チアリーダー、ダンサー、ミュージシャンで、冬の氷点下のシカゴに動員された。

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 ❶JR九州新幹線開通を祝って沿線の人々が詰め掛け、2009年の東日本大震災1年後の視聴者を元気づけた。バドワイザーCMにインスパイアされて企画したことを制作者が明言し、承諾され、オンエアされた

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両作品とも、集団のモブシーンで人々を元気づける構成は同様。しかし、JR九州の場合は、沿線の人々が自発的に歓迎したくて集まって来たセミ・ドキュメンタリーなつくりで、演出されたバドワイザーとは、好感度でも差をつけている。日本の広告賞を独占したが、カンヌ国際広告賞では、バドワイザーCMのパロディだと捉えられ、一度は落選したが、日本側からの強いアピールが認められ、受賞した。第三者にとって、インスパイアとパロディの判定が難しいことを示した。

 

②チョコレートJAPPを食べて元気なトラック運転手が、峠の道で車にもたれかかって休んでいた男を見て、車がスタックして困っていると勘違いし、車を谷底へ突き落とす。元気になるチョコレートを訴求するCM

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 JR東日本スキースキーのCM。雪でスタックした車に友達がもたれかかったら、谷底に落ちてしまった。結果は同じだが、落下のきっかけが違うので、模倣を免れて、日本の広告賞を得た。偶然の一致で、業態が違うということで、パロディを免れた微妙な事例と言える。

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模倣から始まった人間にとって、創造と模倣模索は、臍の緒で繋がっている。インスパイアとパロディは限りなく遠く、近いものだと思う。

 

85年かかった涙

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ゴルフの多彩な表現力を持っていた松山英樹プロは、世界の4大大会の最高峰マスターズで勝者になった。あの4日間、松山はデータに基づき戦略を巡らせ、あらゆる技術を駆使し、白いボールがグリーンの芝生の上に芸術的なアークを描き、ホールに吸い込まれる最高のパフォーマンスを見せてくれた(ゴルフを知らない方には、ちょっとした奇跡があったと想像していただくしかない)。

 

キャディが調べ上げたデータを捉えて、芸術的なパフォーマンスを見せたあの日の松山は、”芝生のアーティスト”と呼んでも差し支えないと思う。マーケティング・データを読み解き、戦略を考え、ターゲットを外さない表現力、まさに広告クリエイターの所作を、彼は完璧にやってのけた。

 

テレビのアナウンサーも解説者も、声を詰まらせ涙していた。しかし、日本人プレイヤーが、85年かけても、誰一人到達しえなかった優勝者への畏敬の涙だったが、彼の完成度の高い芝生上の表現力も涙腺をゆるめたと思いたい。

 

丸山茂樹プロによると、ゴルフというスポーツは5つの要素から成り立っているそうだ。1.ドライバー2.セカンドショット3.アプローチ4.パター5.統合する精神力。これに沿って、ゴルフとクリエイティブCMの関連を見てみたい(あくまで絶対値のない個人差のある評価であることを断っておく。私はこうじゃないという思索を楽しんでいただければ幸甚)。

 

1)「長い距離を飛ばす胸のすくような豪快なドライバーショット」のようなCM:

・日本中の女性を元気付けて巻き込んだ資生堂TSUBAKI

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2)「次打に対する的確なプレースメントが求められる中距離セカンドショット」のようなCM:

・当時の気持ちにミートするJR東海シンデレラ・エクスプレス

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3)「小技が光るアプローチショット」のようなCM:

・(最近の車購入同様)住宅の選択は妻に委ねられていることから妻上位で暮らし上手な夫婦の微妙な関係を描いたダイワハウス「ここで一緒に、野党」篇

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4)「神経細やかに芝生を読み切ったパター」のようなCM:

・ターゲットの心に寄せる、家族愛に火を灯す東京ガス「お父さんのチャーハン」篇

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5)静かな湖面にさざなみを起こさないと松山本人が語っていた精神性「全てのショットを統合する精神力」のようなCM:

・統合的に存在する2つの頂点、世界が認めた日本のカンヌ・グランプリ受賞作を挙げる

①商品価値を明快に訴求した日清カップヌードル「Hungry?」

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②光の変化が生む生活価値に光を当てたナショナルの「あかり」

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松山プロの完成度の高いショットに相応しいCMでプレイできたか、他の作品を推す人もいるだろう。ショットが古いぞ、と言われるだろうが、良いものに古いも新しいもない。評価が定まったもので構成した。 

 

 

 

 

 

 

初めては一度しかない

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 新しいことが多く始まる、4月はいい。誰にでもある初心者の日々を見てみたい。

⭐️AMAZON.COM

オンライン・ブックストア、カタブラCATABRA(アラビア語の呪文、アブラカタブラABRACATABRAに由来)としてスタートしたが「誰も覚えられないし、発音すら出来ない」。弁護士に、創業者のジェフ・ベゾスは社名変更を迫られた。

アルファベット順検索に有利な言葉探しの末、AMAZONにたどり着く。ジェフ・ベゾスにとって”世界一の大河”と言うのが気に入り、本社(当時は)ガレージにいる社員を前に、文句を言わせないぞとばかり、勢いこんで発表したが(CATABRAという変な社名を受け入れていた)社員だけに反応が薄かったようだ。

 

ロングテール商品などきめ細かな在庫を揃え、AIを導入した在庫管理・検索で迅速な配送を可能にし、世界を、生活を変え、年間売上げ30兆8,600億円(2020)のオンラインマーケットの革新を果たした企業になることを、ガレージに立っていた当時の社員は誰一人想像していなかっただろう。ましてや、「大河のように〜」と新社名を発表していた新人社長が、世界一の富豪になることも、ネーミングを一緒に考えてくれた妻と離婚することも、誰も見通せなかっただろう。

 

⭐️GAP

個人的な不満をテコに事業をスタートした人もいる。創業者のドン・フィッシャーは、自分の体格にフィットするズボンが見つからないことに腹を立て、多くの人も同じ悩みを持っていると考え、各スタイル、各色で、全サイズを取り揃えたジーンズ店をオープンした。その後、全ての人のためのアパレル・ブランドGAPを展開し、成功させた。満足は過去形であり、不満は未来形であるという学びを、フィッシャーは、ビジネス・チャンスに変えた。

 

⭐️STARBUCKS

コーヒー豆焙煎・販売の会社を辞めたハワード・シェルツは、シアトルの3人の友人、文筆家、英語教師、歴史教師とエスプレッソ・カフェSTARBUCKS,COFFE,TEA AND SPICESを開店した。店名は小説「白鯨」の苦難を切り拓く一等航海士STARBUCKの名前を借用した。(このことを知ると、ロゴマークに何故人魚がいるのか腑に落ちる)。水のように飲むオフィスのコーヒーにお金を払わない米国人に、これなら払っていいと思わせる価値観を共有させる苦難が見えたからに他ならない。新人社長の仕事は果てしなくあった。

 

メニューのオプションを豊富に準備し、自分好みに合わせたものができる満足感と、注文時に一手間かける”通の愉しみ”を顧客に与え、他のコーヒーハウスにはない体験を共有させた。

今や平均的なスタバ顧客は、月6回利用、トップ20%の顧客は、月16回利用する。仕事してもいい、長居できるカフェとして会社、自宅の間にある”第3の場所”サブカルチャーを確立させた。辞めた会社に提案して受け入れられなかった「イタリア男たちが、昼間立ち寄って時間を過ごすエスプレッソ・カフェの香る空間」という初心を結実させた。

 

⭐️McDonald's

1952年に閃いた”先見の明”。ミルクシェーク製造機のセールスマン、ロイ・クロックが、カリフォルニアでマクドナルド兄弟が経営していた”早くて美味しい”ハンバーガー・レストランを、2億70万円で買収。多額の借金を背負った新人社長が誕生した。

 

汗臭い機械のセールスマンより、ハンバーガーを売ることを選んだクロックは、全米初のセルフサービスのファーストフード事業の仕組みを創り、2億円の初期投資を回収し、世界119カ国、従業員180万人、年間売上げ1兆9,000億円(2020)に成長させた。

 

また、原材料を確保するため、精肉会社が集まっているシカゴに本拠を構えたことで、地元の広告会社レオ・バーネットとの付き合いが始まり、”Smile $0"という名コピーを享受したことは有名である。

 

 

        (以上、ハーバード・ビジネス・レビュー誌のデータを参考に記述)

 

変な社名を考えた新人、不満を抱えていた新人、失業の失意から立ち上がった新人、2億70万円のローンを抱えた新人に肩を並べてルーキー体験をする全ての人に捧げたいブログです。

 

恐れを知らない

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その男は、ボルクスワーゲンの安全性を謳うCMで、安全というならスペック通りの事実に沿って証明したいと、生身の人間に運転させ、撮影上の仕掛けなしに、実際の衝突シーンを撮影した。出演者の事前承諾は得ているとはいえ、普通なら、二人の巨額の生命保険を払う前に周囲が止めただろう。

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また、このCM撮影はボルクスワーゲンにとっては、死亡補償金以上に、企業イメージを損なうリスクもあった。企業の上層部は、このことを問題視し、今後のボガスキーとの仕事を禁じた。しかし、広告部の女性の部長は、彼を辞めさせるなら、自分も辞めると言って、ボガスキーを擁護した。結果、迫真のCMを残して、二人とも去ることになってしまった。

 

その恐れを知らない男は、人生で8つの肩書きを持っている。「デザイナー」「マーケター」「クリエイティブ・ディレクター」「クリエイティブ・エンジニア」「ポストモダン・メディア・マニュピュレーター(執行プロデューサー)」「起業コンサルタント」「放送作家」「新消費者運動推進者」、彼の名前は、アレックス・ボガスキー。

 

現在は、”恐れを知らない(FearLess)”というミレニアム世代対象のデジタルメディア・エージェンシーを設立し、クリエイティブ・コンサルタントから起業への道筋をつけ、コンセプトから制作、メディアプランニング、成果検証まで、ワンストップのフルサービスで、社会派キャンペーンを展開している。アルミ製より軽量で強靭な竹製自転車も手がけたり、ボーダレスな行動力が注目を集めている。

 

アドウイークの”2000〜2010年を代表するクリエイティブ・ディレクター”に選出された彼の作品を列記しても意味がない、既知の事実である。例えば、(動画なしでも、きっと分かっていただける)バーガーキングの”サブサービエント・チキン(従順なチキン)”では、対戦型ゲームの双方向アルゴリズムを使って、視聴者の「サルサを踊れ」とかの気まぐれリクエストに24時間瞬時に応えるウエブサイトで、3億8,700万ヒットを記録、バーガーキングの売り上げを25%アップした。2004年のオンライン前夜に、制作スタッフ全員が、友人や知人にサイト拡散を依頼して成果をあげたという苦労話も聞かれた。

 

彼を印象付けているのは、チキンではなく勇気ある社会派キャンペーンを行なったことだ。ボルクスワーゲンのCMと同じ2006年に、1日の肺がん犠牲者1,200の死体袋をタバコ会社の前に置いて、その反応を映像にしたジャーナリスティックな”THE TRUTH”と名付けた告発ウエブムービー:

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とどめは、業界を震撼させたアンチ・コカコーラのCM。2012年にコカコーラのためにシロクマのキャラクターを生み出し、好感度をアップさせて成功した:

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しかし、2013年に、コカコーラを思わせる飲料に含まれる糖分の過剰摂取による肥満、糖尿病の危険にさらされている新たなシロクマのキャラクターCMを発表した。このアンチ・コカコーラの広告は、制作者がスポンサーを裏切るものとして、業界を二分した。半分のクリエイターが(事実に正直になるべきだと)共鳴し、半分が(クライアントに反旗を翻すのは許されないと)批判した。この後、ボガスキーは業界から半ば追放された形になった。

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2014年、彼は、社会派エージェンシーFearLessでスピンアウトした。 「アレックスって、誰だ?と自問したい」「どこにも属さず、多元的に、文化の良心的逃亡者を楽しんでいる」と彼は言う。

 

ボガスキーのような360°のデジタル才能を、今日の日本の広告会社は実は求めているように思われる。しかし、彼は言う「これからの生活者と企業の新しい関係では、透明性、持続性、民主的、そして協働が求められる」。この前提なく360°のデジタル才能を求めても、二人目のボガスキーは現れないだろう。