どこかで、また会おう

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流浪の人々の言葉には「さよなら」はなく、「どこかで、また会おう」だそうだ。

 

映画「ノマドランド」が教えてくれた。せっかく出会った人との別れはしのびない。だから思いを断つことなく、ずっと持ちつづけていたいという彼らの生き続ける知恵だと思う。

 

出合いがあれば、別れもあると、平気で「さよなら」を使いつづけている都会人への警鐘でもある。

 

人々に孤独を強いたコロナ禍を、我々は体験し、企業にも同じような感慨が生まれたようだ。”つながりたい欲求”を何よりも大切にし、デジタルで、ノンデジタルで結びつけようとするコカコーラの意志が示された。

 

2022年以降のキャンペーンのために、9ヶ月かけて調査し、40億ドルを費やして、キャンペーンを見直した。今までのパートナーであった、インターパブリック・グループや、ピュビリシャス・グループ、電通などと関係を終えた。

 

”つながりたい”欲求に応える新しい企業の意志を伝播するデジタルシフトをWPPグループと組んだ。日本では、ADKやトンプソンを通じて展開されるだろう。

 

このように、業界誌が、プレの結果を細かくに伝えてくれる。全てオープンのアメリカが、うらやましい。結果が出た翌週には、担当者の退社や、他社からのリクルートが始まる。米国では、職場を変えて、1年半以内に他社からの就職勧誘がなければ、業界では評価されてないと人材スカウト会社は判定するそうだ。

 

大袈裟に言えば、個人事業主で契約している米国の広告会社の社員にとって、プレに負けるとマディソン・アベニューが、ノマドランドになる。「どこかで、また会おう」と言いかわしているだろう。

 

”リアル・マジック”というコンセプトのコカコーラ2021年のホリデイCMは、電通英国の子会社の置き土産になった。

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