秘密ではない

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willem dafoe

コロナ禍、リモートワークが増えた。家の中が騒がしい。「方言が出たら、喧嘩はやめよう」地方出身の夫婦が取り決めた生活の知恵だと、ラジオで聴いた。建前の標準語より、方言は本音に近く、大喧嘩になると、二人は感じていたのだろう。

 

広告の話し言葉は、人の心に刺さる「方言」であるべきだ。表向きの建前はそうでも、本音は違うというのをピンポイントで探り当てていく。しかし、誰もが思う凡庸な本音ではなく、角度を変えた本音の方が広告表現のインパクトがある。

 

では、えっと思わせる本音とは。ある気分や気持ちへ紐付けされた「心の記憶」であり、広告商品を買うときに背中を押してくれるもの。あるいは、人とこの商品を結びつけている赤い糸。これは、消費者調査や制作者の洞察「気づき」から生まれる。

 

でも、「気づき」が、全ての広告に必要かと言うとそうでもない。犬のお父さん、黒人のお兄さん、安倍マリオ、オリンピッグ豚などの飛び道具が出てくる企画パターンには必要がない。

 

「気づき」を分かりやすくするために、2つの事例を紹介。

①洗濯洗剤Tideの「シミ」というCM

「洋服のシミは、あなたよりお喋りです」という「気づき」:

www.youtube.com

 

②チョコレートSnickersの「マリリン」というCM

「あなたが空腹のときは、あなたはあなたではない」という「気づき」:

www.youtube.com

ひとの心に隠れたものに気づいた広告だけが、「背中を押して」購買のきっかけをつくることが出来る。この「気づき」を「インサイト(洞察)」と呼び、広告料理の大切なレシピになる。