アルデンテな人

「来年は少しはマシになるだろうと去年話していたが、何も変わらない。全く同じことを繰り返しているだけ」と商店主の声。変わったと言えば、東京のネオンが消えたくらいだ。暗いニュース続きに、新聞も元気がない。自宅時間が多い巣篭もり状態なのに、全国の購読者の7.2%が新聞を止めた(2020年10月の対前年比)、史上最多の減紙だそうだ。ある英字新聞に至っては、購読者数が全盛時の1/3になったそうだ。

 

暗いコロナ禍にあって、明るいイタリア人はどうだろう。イタリア人は、雄弁だ。手でも400の言葉を喋ると言われている。中世のイタリアでは、言語の異なるたくさんの王国が、長靴のような狭い半島に割拠していた。商取引を成立させるために、身振り手振りの会話形態が発達したそうだ。温暖な地中海気候のせいもあり、陽気なお喋り好きな国民性も手伝ったと想像する。

(4本指の爪で

顎をこすりあげて)

①知った事じゃない②怖いのか?③行こうぜ④それがどうした⑤二人は出来てるのか?

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⑥食べよう ⑦あっちへ行け ⑧落ち着け ⑨いいぞ、最高 ⑩ふざけるな

 

 

最近の報道では、EUでリモートワークによる過剰な残業時間が問題になった時、いち早く自宅残業ゼロにしたのが、イタリアとスペインだったと聞いた。もっと、イタリア人について知りたくなったので、谷本真由美「日本人が知らない世界標準の働き方」(PHP研究所)を引用する:

 

「イタリアでは、電気工事やガスのメンテの人が時間通りには来ません。電話会社に電話しても3時間繋がりません(つまり電話をしたままずっと待つ)。

イタリア大使館はビザの書類をなくします。なぜなくなったのか聞くと、パソコンに向かって怒鳴ります。事務員はパスポートをなくします。

銀行は担当者に会う予約を入れても、バカンスに行ってしまったりするので、口座の間違いを直すのに2ヶ月かかります。銀行の口座からはお金が消えます。商店ではお釣りが間違っています。洗濯機はある日突然水漏れします」。想像通りの明るいプロフィールだ。

 

では、人を笑顔にする陽気なフィアットのコマーシャル

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 第2次世界大戦のアフリカ戦線で、イタリア軍が撤退した跡には、銀食器が散在していたのをロンメル将軍が見て「イタリアを味方にしたのは間違いだった」と手記に残していた。戦争は下手だけど、料理上手なイタリアンを見るためにスパゲティのコマーシャルを見る。イタリア人のシェフが、スイス人のテニスプレイヤー、フェデラーにスパゲッティ料理を教えている。押し付けがましくなく、音楽を楽しむように久しぶりにCMを楽しめた。

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